臓器移植

ABO血液型不適合移植

当院は、かつて禁忌(絶対にやってはいけない)とされていたABO血液型不適合肝移植に早期から積極的に取り組んできました。

肝移植は、血液型不適合の間柄(AB→A、AB→B、AB→O、A→B、B→A、A→O、B→O)で行うと、抗血液型抗体が移植された肝臓を認識して攻撃する抗体関連拒絶が起き、肝壊死を来たし高率に早期死亡するとされていました。欧米の脳死肝移植においては血液型不適合移植をせずとも血液型が一致・適合したドナーを待つことができますが、我が国のような生体肝移植が主流の国では肉親に血液型が一致・適合したドナーがいなければ救命の手段はありませんでした。

1998年、当院では当時不可能とされていたこの成人血液型不適合肝移植を50歳代の女性に「門脈注入療法」を応用することで成功させました。通常の免疫抑制剤のほかに、本来腸からの栄養を運ぶ門脈内にカテーテルを留置、3種類の免疫抑制作用を持つ薬剤を注入するというものでした。当時としては極めて画期的なこの方法は、世界にも発信され(Tanabe M, Shimazu M, et al. Transplantation, 73, 2002)国内外から大きな反響を呼びました。

21世紀に入るとさらに新しい薬剤も市販されるようになり、現在では非常に進化した「慶應血液型不適合肝移植プロトコール」が確立されています。このプロトコールをこれまで多くの成人患者に適用し、成績は年々向上しています。血液型適合移植と同等の難易度とは考えていませんが、以前よりはるかに現実的な治療手段となっているのは間違いありません。患者様の救命に血液型不適合移植しか選択がない場合には、「慶應プロトコール」とわれわれの長年のノウハウで、究明の可能性を最大限検討いたします。


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