名 前: | 蛭川 和也 |
学 年: | 卒後8年目 病棟チーフレジデント(大学院生4年目) |
出身大学: | 慶應義塾大学医学部 |
初期研修病院: | 山梨県立中央病院 |
後期研修出向先: | 北里大学北里研究所病院、佐野厚生総合病院 |
大学院所属研究室: | 一般・消化器外科 再生医療班 |
ポリクリで一般・消化器外科をローテートした際に現東京医科大学八王子医療センター主任教授の河地茂行にご指導いただき、肝移植のレシピエント、ドナーを担当させていただきました。その際に、vital organである肝臓が機能不全に落ちかけた生死の瀬戸際にある重症患者の治療にあたる緊張感、肝移植手術のダイナミズム、手術だけでなく周術期管理においてもリーダーシップを発揮し先頭に立ってチームを束ねる外科医の威厳あふれる姿に心を打たれ憧れたのが、肝胆膵移植班を目指したきっかけでした。また、ドナーという尊い協力者の存在により成り立つという移植特有の崇高さは、長時間手術や周術期管理の過酷さを補って余りあるやりがいを感じさせました。さらに、いまだに克服されない拒絶の問題や、ドナーへの安全で低侵襲な手術の確立、長期合併症の数々は、生涯のライフワークとして研鑽し研究し続けるテーマとして非常に魅力的でした。
移植への憧れが肝胆膵移植班への門戸となりましたが、肝臓・胆道・膵臓のオンコロジーにおける外科学の占める役割は依然大きく、また手術の侵襲度や難易度も消化器外科において最高レベルであり、命を扱う外科学・腫瘍学の最高峰を目指すのであれば肝胆膵移植班しかないと考えていました。
先述の通り肝胆膵移植班への強い憧れがあった一方で、器用貧乏にはならずにまずは外科医としての裾野を広げ、その上で自分の専門性を高めていきたいという考えを持っていました。慶應の肝胆膵移植班は名前の通り肝・胆・膵・移植に関わる疾患を分け隔てなくチームで診療にあたっています。実際に入局してみても、膵臓グループの医師が移植手術に携わることもあり、その逆もまた然りで常に肝胆膵移植という輪の中でバランスよく自分の修練を積んでいくことが可能です。もちろん、それぞれのグループには日本のトップナイフとして活躍される先生が多くいらっしゃり、市中病院では経験することのできない高難易度手術や稀少疾患に対する治療を間近に見て学ぶことができるのは大きな魅力であることは言うまでもありません。
さらに、我々が属する慶應の一般・消化器外科教室では肝胆膵移植に加えて上部消化管、腸、血管、乳腺が臨床、研究の母体を共にし、臨床の現場で切磋琢磨し、研究において相互協力を行い、臓器横断的な臨床・研究・教育の体制をとっています。
また、私が属する再生医療班では科の垣根を超え、小児外科や心臓血管外科などの院内の他診療科、理工学部といった塾内の他学部、他大学の研究グループなど幅広い分野の人達と共に研究できる環境となっており、自分の研究テーマをより普遍的で本質的なものへと掘り下げることを可能にしてくれています。私は現在再生肝臓に関する研究を行っておりますが、肝移植におけるグラフト不足を再生肝臓によって解消するという明確なbench-to-bedsideをイメージして研究に取り組めており、慶應の肝胆膵移植班にはこのような研究シーズとそれを可能にするリソースが充実してることも魅力の1つだと考えます。
肝胆膵・移植班
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