肝がんで長期生存を得るために必要なことは、「肝臓の予備能力を温存しながら、あらゆる治療手段を組み合わせて、最適な時期に最適な治療を行うこと(集学的治療)」です。 当科において、特にこだわりを持って取り組んでいる肝がんの治療についてご紹介いたします。
肝がんは、その他のがんとは異なる2つの特徴があります。①治療後の再発率が高い、②再発する度に繰り返し治療が必要となることです。例えば、一度手術によってがんを完全に取り除いたとしても、2年以内に再発をしてしまう患者さんの割合は半分以上にも及びます。その度に、繰り返し治療が必要になります。そのため、肝細胞がんに対する治療は、非常に多岐に渡っており多くの診療科が関わる集学的な治療としての考え方が必須となります。当院では、効果的に集学的治療を行うため「肝がんクラスター」を導入しております。
肝がんの治療は非常に多岐に渡っており、それぞれの治療を行う診療科が異なります。
当院では、外科医のみならず放射線科医(診断・治療)、肝臓内科医、臨床腫瘍内科医の5診療科の医師が集まり、合同の肝がんクラスターカンファレンスを行い治療方針について議論を重ねております。病院によっては、患者さんが初めに受診した科によって、その科が得意とする治療方法に偏ってしまうことがありますが、当院では肝がんクラスターカンファレンスを通して、一人ひとりの患者さんに対し、常に最適な治療を選択することができるよう、バランスのとれた医療を心がけています。早期に見つけ、やさしく治療することが大切です。
胆道膵臓の疾患は非常に多くの良悪性疾患があり、その疾患概念も近年確立されつつある疾患もあり、診断が非常に難しい領域です。診断には放射線画像検査や胆膵内視鏡検査を組み合わせても、最終的な診断は病理診断検査が必要になることが多くあります。胆道膵臓の疾患の治療は手術や治療内視鏡、化学療法、放射線治療など非常に多岐に渡っており、それぞれの治療を行う診療科が異なります。
当院では、外科医、放射線科医(診断・治療)、胆膵内科医、臨床腫瘍内科医、病理診断科の6診療科の医師が集まり、合同の胆膵クラスターカンファレンスを行い診断や治療方針について議論を重ね、総合的に治療方針を考えた上で最新の診断および治療を提供していきます。病院によっては、患者さんが初めに受診した科によって、その科が得意とする治療方法に偏ってしまうことがありますが、当院では胆膵クラスターカンファレンスを通して、一人ひとりの患者さんに対し、常に最適な治療を選択することができるよう、バランスのとれた医療を心掛けています。
また、遺伝性疾患である多発性内分泌腫瘍1型(MEN-1)やフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病など多臓器に腫瘍を併存する疾患に対しては、それぞれの他診療科と協力して遺伝カウンセリングも含めた組織横断的な診療体制を整えています。
肝胆膵・移植班
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