手術記事は、実施した手術の内容を記載する重要な診療記録です。また手術に直接参加していない医療メンバーにとっては、手術内容の詳細を知り得る数少ない手段です。同時に、研修中の外科医にとっては、実際の手術を学ぶための重要な教材でもあります。
手術記事は、できるだけ正確・詳細に記載することが大切ですが、文章だけで手術内容を伝えることは困難です。適切な術中写真があればよいですが、そうでない場合には手術のイラストを手術記事に加えることで、手術記事が一段とわかりやすくなります。しかし、この手術イラストが、上手に描けない人が多いのではないでしょうか?特に、肝胆膵外科のような、解剖のバリエーション多い、複雑な手術では、手術イラストを上手に描けずに悩む、若い先生が多いようです。
手術イラストを上手に描くためのコツは2つ、手術の要点を理解していることと、お手本となる手術の絵を真似することです。近年、タブレット端末を用いたデジタル描画ツールが発達し、お手本となる手術イラストの共有が簡単にできるようになりました。また、紙を拡げることなく、好きな場所・タイミングで手術イラストを作成できるようになり、手術イラストが描きやすい環境になってきたといえなくもありません。
「手術イラストを上手に描きたい」という、外科医の悩みに答えるため、当科で作成した手術イラストを公開します。手術イラストを上手に描きたいけれども、その良いお手本がない、という方にとっての手助けになれば幸いです。
公開した手術記事ファイルは、当科のレジデントがデジタル描画に用いている、「ProcreateR」のフォーマット、およびJPEGファイルで公開します。オープンソースですので、ダウンロード、編集はご自由にお願いします。
ただし、公開した手術イラストは、あくまでも特定の症例にたいするものです。実際に手術イラストを作成するときは、実症例との解剖学的、主義的な相違を理解して、正しい記録を心がけてください。
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